AI時短ラボ
モデル· 約11

Gemini Omni Flashが正式版に──動画の尺が10秒から40秒へ、720pは0.10ドル/秒で据え置き

Googleが2026年8月27日付でGemini Omni Flashの正式版 gemini-omni-1.1-flash を公開した。10秒刻みで累計40秒までの動画延長、最初と最後のフレームからの補間、360p/720p/1080p/4Kの解像度指定が加わった。720pは1秒0.10ドルでプレビュー版から据え置き。日本語ドキュメントは執筆時点で7月30日更新のまま。

Gemini Omni Flashが正式版に──動画の尺が10秒から40秒へ、720pは0.10ドル/秒で据え置き
執筆・編集:
目次

Googleが2026年8月27日付のリリースノートで、動画生成・編集モデル「Gemini Omni Flash」の正式版 gemini-omni-1.1-flash を公開した。2026年8月27日UTC時点(日本時間28日未明)の情報である。プレビュー版の gemini-omni-flash-preview は2026年9月30日に廃止予定と同じリリースノートに明記されている。

変更の中心は尺だ。これまで1回の生成で10秒までだった動画を、10秒刻みで足して累計40秒まで伸ばせるようになった。公式ブログによれば、延長時にモデルが参照する文脈は直前の最大10秒で、従来モデルは最後の1秒しか参照していなかったという。

2026年8月27日、Googleが gemini-omni-1.1-flash を一般提供(GA)で公開。動画の延長が10秒刻みで累計40秒まで、解像度は360p / 720p / 1080p / 4Kの4段階に。720pは1秒あたり0.10ドルでプレビュー版から据え置き、360pは0.03ドル、4Kは0.30ドル。旧プレビュー版は2026年9月30日で廃止。

この件は動画でも解説している。

https://youtu.be/stsVGu4TB_4

何が変わったのか

Gemini APIのリリースノートが挙げている変更点は3つだ。

機能 内容
動画の延長 既存の動画の末尾に続きを生成。extend タスクまたはプロンプトで指定
補間(最初と最後のフレーム) 画像2枚を渡すと、その間を繋ぐ動画を生成
解像度の指定 video_configresolution に 360p / 720p(既定)/ 1080p / 4k

モデルページによれば、1回の生成尺は3秒から10秒、フレームレートは24FPS、コンテキストウィンドウは1,048,576トークン。入力はテキスト・画像・動画(編集と延長は最大10秒)で、出力は動画である。

延長の仕組みについて、公式ガイドは「元の動画の最後の10秒を文脈として使い、入力動画の最終フレームの一部を編集して遷移を滑らかにする」と説明している。継ぎ目を隠すのではなく、繋がるように元の映像側を書き換える設計だ。

いくらかかるのか

解像度ごとの1秒あたりの単価を並べると次のようになる。単位は米ドル。 Veo列は公式の料金ページにこの形(1秒あたりのドル額)で載っている値だが、Gemini Omni 1.1 Flash列は公式がドル額の表として出しているものではなく、公式の「1秒あたりのトークン数」に公式の動画出力単価を掛けて本記事が算出した値である(算出の内訳は表のすぐ下に置いた)。

解像度 Gemini Omni 1.1 Flash Gemini Omni Flash(旧) Veo 3.1 Lite Veo 3.1 Fast
360p $0.03
720p $0.10 $0.10 $0.05 $0.10
1080p $0.15 $0.08 $0.12
4K $0.30 $0.30

720pがプレビュー版と同額で、正式版化にともなう値上げはない。動画出力は100万トークンあたり17.50ドル、入力は1.50ドル、テキスト出力は9.00ドル。無料枠の設定はない。

Omni列の内訳はこうなっている。Gemini Developer API の料金ページの脚注は 「Billing is based on total output token consumption, calculated at a rate of 5,792 tokens per second of 720p video.」と720pの換算しか書いていない。残り3つの解像度の換算レートは、同じGoogleでも Vertex AI の生成AI料金ページの脚注のほうに載っている(curlで確認)——「Gemini Omni Flash charges 1931 tokens per second of 360p video, 5792 tokens per second of 720p video, 8688 tokens per second of 1080p video, and 17376 tokens per second of 4k video for video outputs (with audio).」。

この4つのレートに動画出力単価 17.50ドル/100万トークンを掛けると、360p=0.0338ドル、720p=0.1014ドル、1080p=0.1520ドル、4K=0.3041ドル/秒。上の表のOmni列は、これを小数第2位に丸めた値である。

360pについて公式ブログは、720pと比べて「最大60%高速」かつ「3分の1のコスト」と書いている。ただしこの速度の数字には脚注があり、360pと720pのシステムスループットの比較であると明記されている。他社モデルとのベンチマークは、リリースノート・モデルページ・公式ブログのいずれにも掲載がない。

実際に使ってみて分かったこと

Geminiアプリの動画生成で、この記事を書いている環境から実際に生成してみた。過去に自分で作った映像から抜いた1フレームを参照画像として渡し、テキストで指示した結果、10秒・720p・24fps・AAC音声つきのmp4が出てきた。公式ドキュメントの記載どおりの仕様だった。

ただし目玉の延長は試せていない。生成上限に達したためで、そのとき延長の入力欄も無効化されていた。 上限は新規生成だけでなく延長も止める、ということになる。この挙動は公式ドキュメントに記載を見つけられなかった。上限解除は数時間後という表示だった。

もう一点、画面から確認できなかったことがある。Geminiアプリの動画生成画面には、モデルのバージョン表記がない。 表示されるのは「Omni を使用して作成します」だけで、動いているのが1.1かどうかは画面からは判別できない。公式ブログは「シーン延長はGeminiアプリでGoogle AI Plus / Pro / Ultra 加入者に提供」と書いているので、機能としては提供されている。だがバージョンの確認をしたいなら、モデル名が明示されるGoogle AI Studio側を見る必要がある。

使う前に知っておくべき制限

公式ガイドの制限事項セクションに、実務で当たりそうな条件が並んでいる。

  • 延長は末尾のみ。動画の前に足したり、途中に差し込んだりはできない
  • 人が喋っているアップロード動画に、台詞を足す延長はできない。登場人物が黙ったままなら延長できる。台詞を伴う延長は、モデルが生成した動画に対する複数ターンの延長でのみサポートされる
  • EEA・スイス・イギリスでは、アップロードした動画の編集と延長が利用できない。モデルが生成した動画の延長は全提供地域で可能
  • アップロードする入力動画は10秒以下(モデル生成動画の複数ターン延長を除く)
  • 動画リファレンスは最大3クリップ、1本あたり3秒まで。音声のみのリファレンスは現行APIでは非対応
  • 1080pと4Kは、リリースノートに「アップスケールで生成される」と明記されている
  • 生成された動画にはすべてSynthIDの電子透かしが入る

提供先は、Google AI Studio、Gemini Enterprise Agent Platform、そしてGoogle Flow(AI Plus / Pro / Ultra 加入者に全世界で本日から)。公式ブログにはAdobeがFireflyに統合した旨と、Figma Weave、Runway、GMI Cloudの担当者コメントが掲載されている。

日本語のページだけ見ていると気づけない

執筆時点で、Gemini APIリリースノートの日本語版は最終更新が2026年7月30日で止まっている。本文の最新エントリは7月21日のGemini 3.6 Flash / 3.5 Flash-Lite のGAで、8月分が反映されていない。今回のOmni 1.1だけでなく、8月13日のGemini 3.7 Flash GA、8月26日のGemini 3.5 Transcribe GAも日本語版には載っていない。

英語版(同じURLの ?hl=en)は8月27日更新で、これらすべてが記載されている。日本語のドキュメントを判断材料にすると、1か月ぶんの更新が見えないことになる。

出典に当たれなかった点と、確認できた範囲

この記事の数字は、すべて上記の公式ページの本文から直接取得したものを使っている。そのうえで、書けなかったことを明示しておく。

  • 延長の実挙動を検証できていない。生成上限のため、40秒まで繋げたときに映像がどの程度保つかは未確認である
  • 他社モデルとの性能比較の数字は存在しない。公式に出ているのは360p対720pの自社内比較のみ。「最大60%高速」を他社との比較として読むのは誤りになる
  • Omni列の単価はドル額として公開されているものではない。Gemini Developer API の料金ページにドル額で載っているのは Veo 3.1 の各行だけで、Omni は「1秒あたりのトークン数×トークン単価」でしか示されていない。本記事のOmni列は、Vertex AI 側の料金ページに載っている4解像度ぶんのトークンレートから算出した値であり、Google が1秒あたりのドル額として提示した表ではない
  • 8月25日にX上で「Pre-GAに1.1が掲載されている」という第三者の観測が流れていたが、当方で該当URLを確認した時点では404で、裏付けは取れなかった。本記事の根拠には使っていない

続報があり次第、この記事を更新する。とくに延長の実挙動は、上限が回復し次第あらためて試して追記する予定である。

読んで気になった点や、手元の環境で違う挙動になった方がいれば教えてほしい。次の検証に反映する。

シェア: ポスト はてブ

出典・参照資料

更新・訂正履歴

  • 料金表の帰属を訂正。Gemini Omni 1.1 Flash 列の 360p 0.03ドル・1080p 0.15ドル・4K 0.30ドルを「Googleが公開した解像度別の料金表」として出していたが、Googleがドル額の表として公開しているのは Veo 3.1 の各行のみで、Omni についてはドル額の表が存在しない。実際に本記事が示した数字は、Vertex AI 生成AI料金ページの脚注にある解像度別トークンレート(360p 1931・720p 5792・1080p 8688・4K 17376 トークン/秒)に、動画出力単価 17.50ドル/100万トークンを掛けた算出値だった(2026-09-11 に両ページを curl で取得して確認、数値は小数点以下まで一致)。数字そのものは誤りではないが、算出値を公式の表として提示していた点が帰属の誤りにあたるため、算出であることと内訳を本文に明記し、Vertex AI 料金ページを出典に追加した。あわせて「1080pと4Kの課金レートの内訳は不明」「料金ページの脚注は720pの換算しか書いていない」という但し書きも訂正した。Developer API 側の脚注が720pのみなのは事実だが、Vertex AI 側の脚注に4解像度すべてのレートが載っており、内訳は不明ではなかった。
YouTubeで見る ↗

AIニュースの解説を動画でも

YouTubeでは注目ニュースの背景を解説し、Xでは新着記事をお知らせしています。

コメント

まだコメントはありません。最初のコメントを書いてみませんか?

AIについて聞きたいことはありますか?

質問箱で無料で受け付けています。回答は公開され、他の方の参考にもなります。

質問箱を見る →

新しい記事をメールで受け取る

AIの新しい発表を、出典付きで整理して届けます。

関連記事

gemini-robotics-er-1.6-preview、8月31日に終了──ロボット向けVLMのER 2移行で変わることの記事画像
モデル08.29読了19

gemini-robotics-er-1.6-preview、8月31日に終了──ロボット向けVLMのER 2移行で変わること

出典 ─ Gemini API release not
Google、Gemini 3.8 Flashと3.8 Flash Cyberを発表──6週間で3本目のFlash、Opus 5の7分の1の値段で金融・法務・長尺動画のベンチは上、汎用エージェントは19.1%対51.8%の記事画像
モデル09.02読了17

Google、Gemini 3.8 Flashと3.8 Flash Cyberを発表──6週間で3本目のFlash、Opus 5の7分の1の値段で金融・法務・長尺動画のベンチは上、汎用エージェントは19.1%対51.8%

出典 ─ Google公式ブログ「Introducin
Google、Gemini 3.7 Flashを発表──3.6から3週間・導入価格は半額の0.75ドル、一方で総合指標と知識労働は他社の下の記事画像
モデル08.14読了22

Google、Gemini 3.7 Flashを発表──3.6から3週間・導入価格は半額の0.75ドル、一方で総合指標と知識労働は他社の下

出典 ─ Google公式ブログ: Introduci
Nano Banana(ナノバナナ)とは──Googleの画像生成モデル4種(2 Lite・2・Pro・初代)の違い、API価格(1枚$0.034〜$0.24)、Geminiアプリでの使い方、参照画像14枚・4K・検索グラウンディング、初代の10月2日停止までの記事画像
モデル09.24読了12

Nano Banana(ナノバナナ)とは──Googleの画像生成モデル4種(2 Lite・2・Pro・初代)の違い、API価格(1枚$0.034〜$0.24)、Geminiアプリでの使い方、参照画像14枚・4K・検索グラウンディング、初代の10月2日停止まで

出典 ─ Gemini API公式ドキュメント(Last updated 2026-09-17 UTC・9月18日取得)
Google、Gemini 3.6 Flashなど3モデルを同時発表──出力トークン17%減・長文1Mで54.0%、一方でコーディング4種目は1位ゼロの記事画像
モデル07.22読了13

Google、Gemini 3.6 Flashなど3モデルを同時発表──出力トークン17%減・長文1Mで54.0%、一方でコーディング4種目は1位ゼロ

出典 ─ Google公式ブログ: Introduci
無料AIツールだけで動画は作れるか──工程を棚卸ししたら、有料なのは1箇所だけだったの記事画像
検証09.01読了15

無料AIツールだけで動画は作れるか──工程を棚卸ししたら、有料なのは1箇所だけだった

出典 ─ VOICEVOX 公式サイト
Gemini無料版の制限──公式ヘルプで確認できた具体的な数字の記事画像
検証09.01読了15

Gemini無料版の制限──公式ヘルプで確認できた具体的な数字

出典 ─ Gemini Apps Help
動画を「会話しながら」直す──Gemini Omni Flashの対話型編集を料金・仕様から読み解くの記事画像
プロダクト09.03読了13

動画を「会話しながら」直す──Gemini Omni Flashの対話型編集を料金・仕様から読み解く

出典 ─ Gemini Omni Flash 公式ガイ