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Claude APIの「computer use」がベータを卒業──新設の「browser use」との違いを公式リリースノートで切り分ける

Anthropicは2026年8月19〜20日、Claude APIのcomputer useツールをベータから正式提供に切り替え、ブラウザ専用の新ツール「browser use」を新設した。同時にFiles API・Agent Skills(Skills API)もベータを解除。デスクトップ全体を操作するcomputer useと、ブラウザのビューポート内だけを操作するbrowser useは仕組みが違う。

Claude APIの「computer use」がベータを卒業──新設の「browser use」との違いを公式リリースノートで切り分ける
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「ClaudeがWebブラウザを勝手に操作する」と聞くと、多くの人がChrome拡張の「Claude in Chrome」を思い浮かべる。しかし2026年8月19日、Anthropicは開発者向けのClaude APIに、それとは別物の「browser use(ブラウザユース)」ツールを新設した。同じタイミングで、デスクトップ全体を操作する既存の「computer use(コンピュータユース)」ツールもベータを卒業し、正式機能になっている。両者は名前が似ているうえ、Claude in Chromeという第三の存在も絡むため、公式リリースノートで仕様を切り分けて整理する。

  • computer use(computer_toolset_20260801)は1エントリで17個のメンバーツール(screenshotleft_clicktypezoomなど)を提供。デスクトップ全体をスクリーンショット+座標だけで操作する
  • browser use(browser_toolset_20260801)は既定で27個、オプション4つ(javascript_execfile_uploadread_consoleread_network)を有効化すると最大31個のメンバーツールを提供。ページの構造(アクセシビリティツリー・要素・フォーム・タブ)も直接読み書きできる点がcomputer useとの最大の違い
  • 対応プラットフォームは同じではない。computer useはClaude API・Google Cloudに加えClaude Platform on AWS・Amazon Bedrock・Microsoft Foundryでも(いずれもベータで)使えるが、browser useはClaude APIとGoogle Cloudの2つのみで、AWS・Bedrock・Foundryには未対応

8月19〜20日に何が変わったか

Claude Developer Platform(旧Claude API)の公式リリースノートを2026年8月1日〜26日分まで通読し、該当箇所を確認した。

日付 変更内容
8/19 computer useツールがベータを卒業し、computer_toolset_20260801として提供開始。ベータヘッダー不要、1ターンで複数アクションをまとめる「batch actions」、zoomが既定で有効、メンバー単位の設定(configs)に対応。旧ベータ版(computer_20251124)も引き続き利用可
8/19 新設の browser use ツール(browser_toolset_20260801)を公開。アプリケーション側がホストするブラウザを操作するクライアントツールセット
8/19 Files API がベータを卒業。files-api-2025-04-14ベータヘッダー不要に。expires_in_secondsによるファイル有効期限設定、page/next_pageによるページネーションに対応
8/19 Agent Skills と Skills API(/v1/skills)がベータを卒業。skills-2025-10-02ベータヘッダー不要に
8/19 Claude Enterprise(claude.ai)向けAdmin APIのユーザー管理系エンドポイント(メンバー・招待・グループ・カスタムロール)がベータを卒業
8/20 Python SDK v1.0公開。HTTP層がhttpxからhttpx2(互換フォーク)に移行、Python 3.10以上が必須に
8/20 computer use・browser use両ツールセットがGoogle Cloud上でも利用可能に

対応モデルは、computer use・browser useともにClaude Fable 5、Claude Mythos 5、Claude Opus 5、Claude Sonnet 5、Claude Opus 4.8の5モデルと明記されている(2026年8月27日確認時点)。その後の追記(2026年9月10日):2026年9月1日に公開されたClaude Fable 5.1・Mythos 5.1が加わり、公式ドキュメントの対応モデルはclaude-fable-5-1claude-mythos-5-1を含む7モデルになっている。

computer useとbrowser useは何が違うのか

公式リリースノートの記述を基に、両者の役割分担を整理する。

computer useは、スクリーンショットを撮ってクリック・キー入力を送るという、人間がPCを操作するのとほぼ同じ方法でデスクトップ環境全体を操作する。ブラウザに限らず、任意のアプリケーションを対象にできる。今回のGAで追加された「batch actions」により、1ターンでまとめて複数の操作を実行できるようになった点が実務上の改善点だ。

browser useは、それとは別の設計思想を持つ。リリースノートは「デスクトップ全体ではなく、アプリケーションがホストするブラウザのビューポート内で動く」と明記している。スクリーンショット+クリックという操作に加えて、ページのアクセシビリティツリー・要素・フォーム・タブそのものを読み取り、要素への直接参照、フォーム入力、タブ管理、ダウンロード状況の把握、オプトイン方式のファイルアップロードといった機能を持つ。つまりbrowser useは、画面を「画像として見て」操作するのではなく、Webページの構造そのものを読んで操作する仕組みだ。

両者はいずれも開発者がClaude API経由で自分のアプリケーションに組み込むためのツールで、エンドユーザーが直接触るものではない。Claude in Chrome(ブラウザ拡張機能)とは別物であり、Claude in Chromeの中でどちらの技術が使われているかはリリースノート上では明記されていない。

それぞれの公式ドキュメント(Compatibility節)を実際に取得して突き合わせると、対応範囲は次のようになる。

computer use browser use
メンバーツール数 17個 既定27個(最大31個)
操作対象 デスクトップ全体(スクリーンショット+座標) ブラウザのビューポート内(構造+ピクセル両方)
Claude API GA GA
Google Cloud GA GA
Claude Platform on AWS ベータ 非対応
Amazon Bedrock ベータ 非対応
Microsoft Foundry ベータ 非対応
ZDR適格 Yes(Covered Models除く) Yes(Covered Models除く)

この表で確認できる重要な点は、「computer use・browser useともにGAした」という表現は正確にはClaude APIとGoogle Cloudの2プラットフォームに限った話だということだ。Claude Platform on AWS・Amazon Bedrock・Microsoft Foundry上のcomputer useは、この記事で確認した範囲では引き続き「ベータ」のままで、しかもbrowser useはこの3プラットフォームにはそもそも存在しない。

Files APIとSkills APIも同日GA

同じ8月19日、Files APIとAgent Skills(Skills API)もベータを卒業している。Files APIは、ファイルをアップロードしてMessages APIから参照する仕組みで、expires_in_secondsによるファイルの有効期限設定と、page/next_pageによるページネーションに対応した状態が正式仕様になった。Agent Skillsは、開発者が独自のスキルをアップロードして/v1/skills経由で管理できる機能で、こちらもベータヘッダーなしで利用できるようになった。

Python SDK v1.0の破壊的変更に注意

8月20日にリリースされたPython SDK v1.0は、単なるGAではなく破壊的変更を含む。HTTP層がhttpxからhttpx2(API互換のフォーク)に移行し、httpxをパッチするトレーシング・モッキングライブラリを使っている場合は起動時にhttpx2.alias_httpx()を呼ぶ必要がある。Python 3.10以上が必須になり、レガシーのText Completions API、Messagesメソッドのtemperature/top_p/top_kパラメータ、ツールランナーのクライアント側compaction_controlが削除された。非同期クライアントの.with_raw_responseawait response.parse()が必要になり、AnthropicBedrockはAWSリージョン未設定だとエラーになる(従来はus-east-1にデフォルトしていた)。Claude APIをPython SDK経由で使っているvibe coderが、アップデート後に原因不明のエラーに遭遇する可能性がある変更点だ。

各ツールを実際に呼び出しての動作確認はしていない

  • 本記事は公式リリースノート(platform.claude.com)の記述を基にしており、各ツールを実際にコードから呼び出して動作確認はしていない。batch actionsやbrowser useのアクセシビリティツリー読み取りの具体的な精度・挙動は未検証。
  • Claude in Chrome(ブラウザ拡張)が内部でbrowser useツールを使っているかどうかは、公式リリースノート上に明記がなく確認できなかった。両者は別の発表として扱う。
  • Google Cloud対応の詳細(Vertex AI経由の具体的な呼び出し方法など)は、リリースノートの短い1文以上の情報を確認できていない。

Claude in Chromeのサイドパネルの仕様変更はClaude in ChromeがCoworkセッションに、Claude Codeの基本的な使い方はClaude Code 使い方・料金・できることを参照。

この記事は2026年8月27日時点で公式リリースノートを確認して書いたものです。

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出典・参照資料

更新・訂正履歴

  • 対応モデルの一覧を現況に更新した。「5モデルと明記されている」と書いていたが、これは2026年8月27日の確認時点の状態で、公開日(9月5日)にはすでにClaude Fable 5.1・Mythos 5.1(いずれも9月1日公開・API release notesで確認)が存在していた。現在 computer-use-tool.md / browser-use-tool.md の Compatibility 節は claude-fable-5-1 と claude-mythos-5-1 を含む7モデルになっている。確認時点を明記したうえで現況を追記した。

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