AI時短ラボ
検索
検証

Cline、日本からオープンウェイトモデルを配信する「ai&」に新規対応(既定モデルGLM 5.3)DesktopアプリもLinux初対応

執筆:約20分で読めます

日刊AIニュース10月17日(土)号:前日のAIのニュース17本を短くまとめました(約8分)›

Cline CLI v3.0.65のリリースノートに、日本からオープンウェイトモデルを配信するOpenAI互換エンドポイント「ai&」への新規対応が明記された。環境変数はAIAND_API_KEY、既定モデルはGLM 5.3。同じ日に公開されたCline Desktop v0.0.35は、x64の.debと.rpmパッケージでLinuxに初対応し、プラグインのスラッシュコマンドが実際に動作するよう修正され、設定情報を書き出す診断エクスポート機能も追加された。

Cline、日本からオープンウェイトモデルを配信する「ai&」に新規対応(既定モデルGLM 5.3)──DesktopアプリもLinux初対応
目次

2026年9月25日昼・日本時間時点の情報です。

AIコーディングエージェント「Cline」が、CLI版v3.0.65とDesktop版v0.0.35をどちらも2026年9月24日(日本時間)に公開した。2つのリリースノートに共通して書かれているのが「新しいプロバイダー:ai&」で、日本からオープンウェイトモデルを配信するOpenAI互換エンドポイントだとされている。CLI側のノートには環境変数AIAND_API_KEYと、既定モデルがGLM 5.3であることが明記されている。同じ日に出たDesktop v0.0.35では、Cline Desktopが初めてLinuxに対応し、x64向けの.debと.rpmパッケージが既存のmacOS・Windows版と並んで配布されるようになった。

・CLI v3.0.65のリリースノートに、日本からオープンウェイトモデルを配信するOpenAI互換エンドポイント**「ai&」への新規対応が明記。環境変数はAIAND_API_KEY、既定モデルはGLM 5.3**(SDKの変更履歴上のIDはzai-org/glm-5.3) ・同日公開のDesktop v0.0.35でCline DesktopがLinuxに初対応。x64向けの**.debと.rpmを配布し、AppImageは今回は無い ・Desktopではプラグインのスラッシュコマンドが実際に動作するよう修正され、設定・ログを1ファイルにまとめる診断エクスポート**機能も新設された

CLIとDesktop、同じ日の2本のリリースで何が変わったか

項目 CLI v3.0.65 Desktop v0.0.35
GitHub公開時刻(UTC→JST換算) 2026-09-24 05:54 UTC(14:54 JST) 2026-09-24 08:34 UTC(17:34 JST)
新規プロバイダー「ai&」 あり。環境変数AIAND_API_KEY、既定モデルGLM 5.3と明記 あり。「日本からオープンウェイトモデルを配信するOpenAI互換エンドポイント」とのみ記載
Linux対応 記載なし(CLIのノートに対応OSの変更についての記述は無い) 初対応。x64の.deb・.rpmを配布。AppImageは今回は無し
プラグインのスラッシュコマンド 読み込みに失敗したプラグインの再試行の扱いのみ記載 「実際に動作するようになった」と明記(従来はプレーンテキストとしてモデルに送られていた)
診断エクスポート 記載なし 新設。設定・OS・直近ログ等を1つのテキストファイルにしてDownloadsフォルダへ出力(APIキー等は除去)
モデルカタログ 6,237→6,386モデル、209プロバイダー 6,386モデル
既定モデルが変わったプロバイダー数 19(うち11件がClaude Opus 5.5へ) 19(うち11件がClaude Opus 5.5へ。GitHub Copilot・Vertexを含む)

「ai&」は何者か──Cline側の記載と、ai&自身の説明

CLI v3.0.65のリリースノートには、次の1文がそのまま書かれている。

"New provider: ai&, an OpenAI-compatible endpoint serving open-weight models from Japan. Set AIAND_API_KEY; the default model is GLM 5.3"

(新しいプロバイダー:ai&。日本からオープンウェイトモデルを配信するOpenAI互換のエンドポイント。AIAND_API_KEYを設定する。既定モデルはGLM 5.3)

Desktop v0.0.35のノートにも同じ新規プロバイダーへの言及があるが、こちらは

"New provider: ai&, an OpenAI-compatible endpoint serving open-weight models from Japan"

(新しいプロバイダー:ai&、日本からオープンウェイトモデルを配信するOpenAI互換エンドポイント)

とだけ書かれており、環境変数名や既定モデルの記載はCLI側のノートにしか無い。

英文の「open-weight models from Japan」は「日本製のモデル」とも読めてしまうが、そうではない。同じリポジトリのSDK変更履歴は、既定モデルのIDを次のように書いている。

"New built-in provider aiand (ai&), an OpenAI-compatible endpoint serving open-weight models from Japan. It reads AIAND_API_KEY and defaults to zai-org/glm-5.3"

(新しい組み込みプロバイダーaiand(ai&)。日本からオープンウェイトモデルを配信するOpenAI互換エンドポイント。AIAND_API_KEYを読み込み、既定はzai-org/glm-5.3)

GLM-5.3はz.aiが公開したモデルだ(当サイトの既報)。Clineの公式ドキュメントも、ai&を次のように紹介している。

"AiAnd (ai&) offers sovereign inference for open-weight models served from Japan through an OpenAI-compatible API."

(AiAnd(ai&)は、日本から配信されるオープンウェイトモデルのソブリン推論を、OpenAI互換APIで提供する)

ai&自身の公式サイト(aiand.com)は、トップページの説明文(メタ情報)で次のように書いている。

"ai& runs frontier open-weight models - Kimi, DeepSeek and GLM - on GPU infrastructure it owns and operates in Japan."

(ai&は、Kimi・DeepSeek・GLMといったフロンティア級のオープンウェイトモデルを、自社で所有・運用する日本国内のGPU基盤で動かしている)

「from Japan」が指しているのはモデルの出自ではなく推論を実行する場所で、ai&の説明によれば、Kimi・DeepSeek・GLMのようなオープンウェイトモデルを日本国内のGPUで動かして配信するサービスということになる。

Cline DesktopがLinuxに初めて対応した

Desktop v0.0.35のリリースノートの冒頭に、Linux対応の記載がある。

"Cline Desktop now runs on Linux. Each release ships x64 .deb and .rpm packages alongside the macOS and Windows builds. Open folder… uses the native GTK picker, and updates download in the background and install when you choose Restart now, so you are never hit with a surprise password prompt. There is no AppImage for now"

(Cline Desktopは今回からLinuxで動作する。以降の各リリースは、macOS・Windows版と並んでx64向けの.debと.rpmパッケージを配布する。「フォルダを開く…」はネイティブのGTKピッカーを使い、アップデートはバックグラウンドでダウンロードされ、「今すぐ再起動」を選んだ時にインストールされるため、予期しないパスワード入力を求められることはない。AppImageは今のところ無い)

GitHub Releasesの添付ファイルを見ると、v0.0.35にはCline_0.0.35_amd64.debとCline_0.0.35_x86_64.rpmが付いている。v0.0.34までのDesktopリリースの添付は、macOS向け(.dmg・.app.tar.gz)とWindows向け(.exe)だけだった。macOS・Windowsに続く3つ目のOSとして、パッケージ形式(.deb・.rpm)でのLinux対応が加わった。

プラグインのスラッシュコマンドが実際に動くようになった、診断エクスポートも追加

同じDesktop v0.0.35には、プラグイン機能の不具合修正も含まれている。

"Plugin slash commands now work in the desktop app. Commands a plugin registers, like /goal, used to be sent to the model as plain text; they now run the plugin's handler, show its reply, and start a turn only when the command asks for one."

(プラグインのスラッシュコマンドがデスクトップアプリで実際に動作するようになった。/goalのようにプラグインが登録するコマンドは、これまでモデルへプレーンテキストとして送られていた。今はプラグインのハンドラーを実行し、その返答を表示し、コマンドが要求した場合のみターンを開始する)

プラグインが登録したコマンドを打っても、これまではコマンドとして処理されずに文字列のままモデルへ渡っていた、という記載だ。

設定画面には新しく「Diagnostics」の行も加わった。

"Settings has a new Diagnostics row. Export… writes a single text file to your Downloads folder with the app version, OS, settings, recent sidecar and hub logs, and the manifests of the sessions you pick. API keys, credential-shaped values, your prompts, and your home directory path are stripped, so the file is safe to attach to a GitHub issue"

(設定に新しい「Diagnostics」の行がある。「Export…」は、アプリのバージョン・OS・設定・直近のサイドカーとハブのログ、選んだセッションのマニフェストを、1つのテキストファイルとしてDownloadsフォルダへ書き出す。APIキー・認証情報らしき値・プロンプト・ホームディレクトリのパスは取り除かれるため、GitHub Issueに添付しても安全だとしている)

ai&の追加とは別枠で、19プロバイダーの既定モデルも入れ替わった

今回のCLIノートには、モデルカタログの更新に関する記載もある。

"Refreshed the model catalog: 6,237 to 6,386 models across the same 209 providers. The default model changes for 19 providers. Eleven land on Claude Opus 5.5 (Cortecs, CrossModel, DigitalOcean, Eden AI, GitHub Copilot, both LLM Gateway providers, Ofox, Requesty, Vertex, Vivgrid), both StepFun providers move to Step 5 Preview, Above to MiMo V2.6 Flash, Fireworks to Ember-1, Kenari to DeepSeek V4.1 Flash, NanoGPT to Aion 3.5, OpenCode Go to Space Bunny Free, and Pioneer to GLiNER 2.5 Multi. If you use one of those without pinning a model, expect a different default"

(モデルカタログを更新:同じ209プロバイダーにわたって6,237から6,386モデルへ。19プロバイダーで既定モデルが変わる。11件がClaude Opus 5.5に着地(Cortecs、CrossModel、DigitalOcean、Eden AI、GitHub Copilot、2つのLLM Gatewayプロバイダー、Ofox、Requesty、Vertex、Vivgrid)、両StepFunプロバイダーはStep 5 Previewへ、AboveはMiMo V2.6 Flashへ、FireworksはEmber-1へ、KenariはDeepSeek V4.1 Flashへ、NanoGPTはAion 3.5へ、OpenCode GoはSpace Bunny Freeへ、PioneerはGLiNER 2.5 Multiへ。これらをモデル固定せずに使っている場合、既定モデルが変わる)

Desktop側のノートにも同内容が短くまとめられている。

"Refreshed the model catalog to 6,386 models. The default model changes for 19 providers, 11 of them to Claude Opus 5.5 (including GitHub Copilot and Vertex). If you use one of those providers without picking a model, expect a different default"

(モデルカタログを6,386モデルに更新。19プロバイダーで既定モデルが変わり、うち11件がClaude Opus 5.5へ(GitHub Copilot・Vertexを含む)。モデルを選ばずにこれらのプロバイダーを使っている場合、既定モデルが変わる)

この19プロバイダーの一覧にai&は入っていない(Opus 5.5へ移る11件、StepFunの2件、Above・Fireworks・Kenari・NanoGPT・OpenCode Go・Pioneerの6件で19件)。ai&は今回新しく加わったプロバイダーで、GLM 5.3は「変更後の既定モデル」ではなく、最初から設定されている既定モデルだ。

docs.cline.botで見つけたai&の記載と、解けなかった「同じ209プロバイダー」

筆者が2026年9月25日にClineの公式ドキュメントサイト(docs.cline.bot)のサイトマップを確認すると、provider-config/anthropicやprovider-config/zaiのような単独のページはai&には用意されていなかった。ただし、複数のプロバイダーをまとめた「Other 30+ Providers」のページにはai&の節があり、公式サイトとしてhttps://aiand.comが挙げられ、設定手順が3段階で書かれている。ai& Console(console.aiand.com)にサインインし、ダッシュボードでAPIキーを発行し、Clineでai&を選んでキーを貼り付ける、という流れだ。ai&の料金表や、配信しているモデルの全一覧は、本記事では確認していない。

リリースノートの文言には、本記事では解決できなかった点が1つある。CLIのノートは「新しいプロバイダー:ai&」と明記する一方、同じノートのモデルカタログの更新は「同じ209プロバイダーにわたって」6,237から6,386モデルへ、という書き方になっている。SDKの変更履歴はai&を「新しい組み込みプロバイダー(built-in provider)」と呼び、カタログ更新のほうは「still 209 providers」、既定モデルの変更は「builtins.tsで既定モデルを固定していない19プロバイダー」と書き分けているので、組み込みプロバイダーの一覧とモデルカタログは別々に管理されているようにも読める。ただ、ai&が209の中に数えられているのかどうかは、どの文書にも書かれていない。

実際にAIAND_API_KEYを取得してCLIやDesktopからai&経由でGLM 5.3を動かす検証は、今回は行っていない。

参照した一次ソース──リリースノート2本、SDK変更履歴、Cline Docs、ai&公式サイト

本記事は、cline/cline リポジトリのGitHub Releasesページ2本(CLI v3.0.65、Desktop v0.0.35)を実際に開き、本文中の引用箇所が原文と一致することを確認したうえで書いている。どちらのページも「github-actionsが公開(released this)」の形式で、公開時刻はそれぞれ2026-09-24T05:54:42Z(CLI)、2026-09-24T08:34:28Z(Desktop)とページ上のrelative-time要素に記載されていた。

関連記事

シェア: ポスト はてブ

出典・参照資料

AI時短ラボ

大きいニュースはYouTubeでも解説しています。Xでは新着記事をお知らせしています。

コメント

まだコメントはありません。最初のコメントを書いてみませんか?

AIについて聞きたいことはありますか?

質問箱で無料で受け付けています。回答は公開され、他の方の参考にもなります。

質問箱を見る →

関連記事

月額9.99ドルでオープンウェイトモデルを定額利用──Cline「ClinePass」の中身と、8月26日にtasksツールへ入った変更の記事画像

月額9.99ドルでオープンウェイトモデルを定額利用 Cline「ClinePass」の中身と、8月26日にtasksツールへ入った変更

検証
z.aiがGLM-5.3を公開──事後学習だけでTerminal Bench 6倍、サイバー能力が「予想外に」伸びたの記事画像動画

z.aiがGLM-5.3を公開 事後学習だけでTerminal Bench 6倍、サイバー能力が「予想外に」伸びた

モデル
Z.aiがGLM-5.3-Flashを公開──Opus級に迫って価格は10分の1、覆面モデルOx Alphaの正体だったの記事画像動画

Z.aiがGLM-5.3-Flashを公開 Opus級に迫って価格は10分の1、覆面モデルOx Alphaの正体だった

モデル
AIコーディングアシスタント比較──Copilot/Cursor/Claude Code【2026年】の記事画像

AIコーディングアシスタント比較 Copilot/Cursor/Claude Code【2026年】

活用
Google「ADK for Kotlin 1.0」が正式版──Python版・Java版のADK 1.0と同じ機能に加え、Android向けの端末内エージェント(LiteRT-LM・ML Kitベータ)、Firebase AI Logicのハイブリッド、RoomとAppSearchで状態の保存。@Toolと@Paramでスキーマを自動生成、SKILL.mdで手順を段階的に読むの記事画像

Google「ADK for Kotlin 1.0」が正式版 Python版・Java版のADK 1.0と同じ機能に加え、Android向けの端末内エージェント(LiteRT-LM・ML Kitベータ)、Firebase AI Logicのハイブリッド、RoomとAppSearchで状態の保存。@Toolと@Paramでスキーマを自動生成、SKILL.mdで手順を段階的に読む

検証(発表 9月9日)
Google DeepMind「クライアントSDKの生成はオープンであるべき」──2026年5月、使っていたSDK生成ベンダーが買収され突然の終了。Interactions APIのGA直前に乗り換え、Speakeasyと組んでOpenAPI生成スイートをAGPLv3でオープンソース化。7言語のSDK・エージェント向けCLI・ドキュメントMCPサーバーを生成、6ターゲットを約1人で保守の記事画像

Google DeepMind「クライアントSDKの生成はオープンであるべき」 2026年5月、使っていたSDK生成ベンダーが買収され突然の終了。Interactions APIのGA直前に乗り換え、Speakeasyと組んでOpenAPI生成スイートをAGPLv3でオープンソース化。7言語のSDK・エージェント向けCLI・ドキュメントMCPサーバーを生成、6ターゲットを約1人で保守

検証(発表 9月17日)
Google「autofinetune」──仕様書1枚を書いて寝ると、エージェントが一晩でLoRAのランク・学習率・バッチを探索し、改善したコミットだけGitに残す。TPU v5eでFunctionGemma 270MのSFTを20回、TPU v6eでGemma 3 1BのGRPOを40回回し報酬約10%改善。Tunix+Antigravity CLI+Gemini 3.7 Flashの記事画像

Google「autofinetune」 仕様書1枚を書いて寝ると、エージェントが一晩でLoRAのランク・学習率・バッチを探索し、改善したコミットだけGitに残す。TPU v5eでFunctionGemma 270MのSFTを20回、TPU v6eでGemma 3 1BのGRPOを40回回し報酬約10%改善。Tunix+Antigravity CLI+Gemini 3.7 Flash

検証(発表 9月11日)
Hugging Face「funes」──Claude Code・Codex・pi・Hermesのセッション記録を1つの記憶にする単一バイナリ。`funes add claude`でエージェントにrecallとgetのツールが付き、完了したターンごとに自動で索引。埋め込みと再ランクは手元で動き、共有したければ自分のHugging Faceデータセット(既定で非公開)に。要約せず原文と出所を返すの記事画像

Hugging Face「funes」 Claude Code・Codex・pi・Hermesのセッション記録を1つの記憶にする単一バイナリ。`funes add claude`でエージェントにrecallとgetのツールが付き、完了したターンごとに自動で索引。埋め込みと再ランクは手元で動き、共有したければ自分のHugging Faceデータセット(既定で非公開)に。要約せず原文と出所を返す

検証(発表 9月3日)