CodexのGoal Modeが実験段階を終えた──公式ドキュメントで確認できる「/goal」の使い方
OpenAI公式ドキュメントによると、CodexのGoal Modeは2026年5月21日付の更新で実験(experimental)段階を終え、アプリ・IDE拡張・CLIの3面で利用可能になった。ゴールを開始してもサンドボックスと承認ポリシーは変わらず、Auto-reviewと組み合わせて境界越えの判断だけ別レビュアーに任せられる仕組みを公式原文で確認した。

目次
OpenAIの公式更新履歴「What's new」を確認すると、2026年5月18〜22日の週にCodexの「Goal mode」が実験段階を終え、ChatGPTデスクトップアプリ・IDE拡張・CLIの3つの環境で使えるようになったと明記されている。数時間から数日かかる目標にも使える、という位置づけだ。この記事はOpenAI公式ドキュメントの原文だけを根拠に、実際の使い方と、Claude Codeの/goalとの共通点・相違点を整理する。
- Goal modeは2026年5月18〜22日の週に実験段階を終え、ChatGPTデスクトップアプリ・IDE拡張・CLIの3面で利用可能になった。同時期に「Locked use」(Macロック中もComputer Use作業を継続できる機能)も追加されている
- Goal modeを開始してもCodexのアクセス権限は広がらない。既存のサンドボックス・承認ポリシーがそのまま適用され、Auto-reviewと組み合わせれば境界越えの判断だけを別レビュアーに任せられる
- 完了条件の書き方はOutcome(成果)・Constraints(制約)・Verification(検証)の3要素。並行実行時は「2つのチャットに同じファイルへの書き込み権限を与えない」ことが公式に注意喚起されている
いつ実験段階を終えたか
OpenAI公式の更新履歴「What's new」内、2026年5月18〜22日の週の項目「Follow long-running goals」に次の記述がある。
Goal mode left experimental status and is available in the Codex app, IDE extension, and CLI for objectives that can take hours or days.
詳細な発表日は「5月21日の公式リリースノート」として案内されている。同じ更新には、Macがロックされても承認済みのComputer Use作業を継続できる「Locked use」も同時に含まれている。
使い方は環境ごとに共通してシンプル
公式ドキュメント「Long-running work」によると、使い方はどの環境でもほぼ同じだ。
- ChatGPTデスクトップアプリ:
/goalと入力すると開始。進捗行が入力欄の上に表示され、そこから一時停止・再開・編集・クリアができる - Codex CLI(対話セッション):
/goalと入力して開始。同じセッションを続けることで作業を誘導したり状況確認したりできる - IDE拡張:チャットで
/goalと入力すると、開いているワークスペースに対してGoal modeが始まる - ChatGPT web:Goal modeという名前のコマンドはなく、代わりに「ChatGPT Work」を使い、達成条件・制約・レビュー基準をプロンプトに直接書く
ゴールのテキストは、最初のプロンプトであると同時に完了条件そのものになる。目的が固まっていない場合は、先に/planでChatGPTに要件をインタビューさせ、測定可能な達成条件付きのゴールに練り上げてから/goalを打つ、という順番が推奨されている。
「完了」の定義に含めるべき3要素
公式ドキュメントは、ChatGPT自身が進捗を検証できるゴールの書き方として、3つの要素を挙げている。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| Outcome(成果) | 実行内容ではなく、得たい結果そのものを記述する |
| Constraints(制約) | 必要なツール・境界・互換性要件・避けるべき手法を明記する |
| Verification(検証) | 完了を証明するテスト・測定・レビュー基準を加える |
公式の例文:
Migrate this codebase from JavaScript to TypeScript. Preserve existing behavior,
compile in strict mode without explicit `any` types, and make the full test suite pass.
ゴールを始めても権限は広がらない
公式ドキュメントが明記する重要な点として、Goal modeを開始しても、Codexに与えられるアクセス権限が広がるわけではない。 既存のサンドボックスと承認ポリシーがそのまま適用され、判断が必要な場面では通常どおり一時停止する。この点はCodex Permission Profilesの仕組みとセットで理解する必要がある。
「Automatic approval reviews」(Auto-review)と組み合わせると、サンドボックス境界を越える承認要求だけを、権限そのものは広げないまま別のレビュアーエージェントに評価させられる。詳細はCodex Auto-reviewの仕組みを参照。
並行実行の注意点
複数のチャットでゴールを並行して走らせることもできる。各チャットは独自のコンテキスト・メッセージ・結果・ゴールを保持するため並行実行は可能だが、公式ドキュメントは「2つのチャットに同じファイルへの書き込み権限を与えないこと」を明確に注意している。並行してコーディングするチャット同士でチェックアウトを分けたい場合は、Git worktreesの利用が案内されている。
デスクトップアプリでのローカル作業では、設定の「Prevent sleep while running」をオンにしてMacがスリープしないようにすることや、「Pets」やシステム通知を使って入力待ち・レビュー待ちのタイミングを把握することも案内されている。公式ドキュメント「Pets」ページを確認すると、これは「作業の進み具合を追うためのオプションのアニメーションキャラクター」で、ペットを選んでも見た目が変わるだけで、ChatGPTがタスクをこなす中身自体には影響しないと明記されている。長時間のGoal modeを回している間、進捗をさりげなく把握するための補助的なUIという位置づけだ。
Claude Codeの/goalとの共通点・相違点
同名の概念としてClaude Codeにも/goalコマンドがある。両者とも「完了条件を設定し、満たされるまで自動でターンを継続する」という基本設計は共通している。ただし、Codex公式ドキュメントの記述からは、Claude Code側で明記されている「別の小型モデルによる毎ターン判定」「回復不能エラー4種類での自動解除」に相当する具体的な判定メカニズムの記述は確認できなかった。両者は名前と目的こそ同じだが、実装の詳細まで一致していると断定はできない。両サイトの公式ドキュメントを実際に突き合わせると、確認できた違いは次の通り。
| Codex Goal mode | Claude Code /goal |
|
|---|---|---|
| 完了条件の構成要素 | Outcome・Constraints・Verificationの3要素 | 条件文1つ(最大4,000文字) |
| 判定の主体 | 公式ドキュメントに専用の評価モデルの記載なし | 別モデル(既定Haiku)が毎ターン判定 |
| 権限との関係 | 開始してもアクセス権限は広がらない、既存のサンドボックス・承認ポリシーを維持 | 記載なし(別軸の話として整理されていない) |
| 自動解除の条件 | 公式ドキュメントに専用の記載を確認できず | 認証エラー等4種類の回復不能エラー |
| 空回り時の安全弁 | 公式ドキュメントに専用の記載を確認できず | ツール未使用が続くとループを強制停止 |
この表の「確認できず」という欄は、Codex側にその機能が無いことの証明ではなく、あくまで今回参照した公式ドキュメントの範囲では記載を見つけられなかったという意味であることに注意してほしい。
完了判定の仕組みは公式ドキュメントに記載がない
限界を先に書く。
Goal modeの判定メカニズムの詳細。 誰が(どのモデルが)完了を判定しているか、判定の頻度、失敗時の扱いなど、Claude Codeの/goalドキュメントに相当する技術的な詳細はOpenAI公式ドキュメントから確認できなかった。
「hours or days」の具体例。 実際にどの程度の長さのタスクで使われているか、公式の事例紹介は本記事執筆時点で深掘りしていない。
web版ChatGPT Workとの機能差。 web版はGoal modeという名前のコマンドを持たず「ChatGPT Work」に案内されているが、両者の機能差の詳細までは確認していない。
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