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サポート詐欺とは「ウイルスに感染しました」と偽の警告画面・警告音・電話番号を出し、電話をかけさせて遠隔操作や支払いに誘導する手口。画面はEscキー長押しかブラウザ終了で消せる。IPAへの偽警告の相談は2026年4〜6月に1,428件【2026年10月版】

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日刊AIニュース10月17日(土)号:前日のAIのニュース17本を短くまとめました(約8分)›

サポート詐欺とは、ネット閲覧中に「ウイルスに感染した」という嘘の警告画面と警告音を出し、画面の電話番号にかけさせて、サポート料金の名目で金銭を取ったり遠隔操作ソフトを入れさせたりする手口で、警察庁・IPA・国民生活センターが同じ説明をしている。IPAは「落ち着いて偽の警告画面を閉じるだけで対処できます」と書き、手順書ではEscキーを3秒ほど長押ししてから×を押す。IPAの安心相談窓口の「ウイルス検出の偽警告」の相談は2026年4〜6月に1,428件(全体の37.3%)。公的機関のページを2026年10月13日に取得し、筆者がIPA公式の「閉じ方体験サイト」を開いて出る画面を確かめた。

サポート詐欺とは──「ウイルスに感染しました」と偽の警告画面・警告音・電話番号を出し、電話をかけさせて遠隔操作や支払いに誘導する手口。画面はEscキー長押しかブラウザ終了で消せる。IPAへの偽警告の相談は2026年4〜6月に1,428件【2026年10月版】
目次

2026年10月13日・日本時間時点の情報です。 サポート詐欺(サポートさぎ)とは、パソコンでネットを見ている最中に「ウイルスに感染した」という嘘の画面や警告音を出し、画面に書かれた電話番号に電話をかけさせて、サポート料金の名目で金銭をだまし取ったり、遠隔操作ソフトを入れさせたりする手口です(警察庁のサポート詐欺対策ページの説明)。画面に出ているのは本物のウイルス警告ではなく、IPA(情報処理推進機構)は「落ち着いて偽の警告画面を閉じるだけで対処できます」と書いています。

この記事は、「トロイの木馬に感染しました」と出て何度も消えない時の消し方(Windows・Mac・iPhone・Android)、電話をかけてしまった時や遠隔操作ソフトを入れた時、お金を払った時にすること、IPAの相談件数の推移を、公的機関のページの原文で書きます。筆者は2026年10月13日2時41分に、IPA公式の「偽のセキュリティ警告画面の閉じ方体験サイト」をログインなしで開き、何が出るかを撮影しました。実在の詐欺サイトは開いていません。

3行まとめ

  1. サポート詐欺は、「ウイルスに感染した」と偽の画面・警告音・電話番号を出して電話をかけさせ、遠隔操作や支払いに誘導する手口。警察庁・IPA・国民生活センターが同じ説明をし、IPAは「電話をかけなければ被害は発生しません」と書く。
  2. 消し方は、IPAの手順書ならEscキーを3秒ほど長押しして右上の×。消えなければCtrl+Alt+Deleteから再起動。電話や遠隔操作を許した後は、ネットワークを切り、アンインストールとシステムの復元(IPA)。払った時はカード会社・電子マネー会社・銀行と警察署(警察庁)。
  3. IPAの安心相談窓口(03-5978-7509)への「ウイルス検出の偽警告」の相談は、2026年4〜6月が1,428件で全体の37.3%。2025年7〜9月の647件から3期続けて増えた。

サポート詐欺とは何か。警察庁・IPA・国民生活センター・消費者庁の説明

警察庁のサポート詐欺対策ページは、サポート詐欺を次のように書いています。

「パソコンでインターネットを閲覧中に、突然、ウイルス感染したかのような嘘の画面を表示させたり、警告音を発生させるなどして、ユーザーの不安を煽り、画面に記載されたサポート窓口に電話をかけさせ、」(このあと、サポートの名目で金銭をだまし取ったり、遠隔操作ソフトをインストールさせたりする手口、と続く)

国民生活センターの2024年3月27日の発表も、警告画面や警告音をきっかけに電話をかけさせ、偽のサポートに誘導してサポート料金を支払わせる手口、と同じ説明です。IPAの注意喚起(2024年11月19日公開)は、「電話をかけると、相手はウイルスを除去するためのサポート料金と称して金銭の支払いを要求します。」と書き、「そのため、この手口は「サポート詐欺」と呼ばれています。」と名前の由来を述べています。消費者庁の2023年9月28日の注意喚起は、同じ手口を「偽警告」と呼び、「Microsoft」のロゴを使った偽の警告で多額の金銭を支払わせる事業者を、消費者安全法に基づいて公表しています。

どの機関の説明も、偽の警告で不安にさせる→電話をかけさせる→有料サポートや遠隔操作ソフトのインストールに誘導する→お金を取る、の流れです。電話をかけるところが分かれ目で、IPAは「電話をかけなければ被害は発生しません」と書きます。

遠隔操作ソフトは、離れた場所の人が、自分のパソコンの画面を見ながらマウスとキーボードを動かせるようにするソフトです。IPAは、パソコンメーカーのサポートが使うこともあるが、悪意のある人に許すとデータの窃取や設定の変更などの恐れがある、と書いています。IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026」は、個人向けの10項目に「サポート詐欺(偽警告)による金銭被害」を「7年連続7回目」(初選出は2020年)で入れています。

「ウイルスに感染しました」「トロイの木馬に感染」と出るのは、本物の警告なのか

偽物と見る根拠を、各機関は次のように書いています。

  • IPAの特集ページ:「画面が表示されただけであれば、パソコンは「コンピュータウイルス」には感染しておらず、「偽セキュリティ警告画面」を閉じるだけで問題ありません。」
  • 警察庁:「偽のセキュリティ警告画面はウイルス感染の有無に関わらず表示されます。」(この画面が出たことは、感染しているかどうかの証拠にならない、という意味です)
  • Microsoft:「Microsoft のエラー メッセージと警告メッセージに電話番号が記載されていることはありません。」
  • 消費者庁:「実在する日本マイクロソフト株式会社やその関係者が、パソコンに警告を表示して消費者に電話をかけるように求めることはありません。」
  • IPAの「10大脅威 2026」個人編ハンドブック:「正規のセキュリティサービスの警告画面に電話番号は表示されません。」

ただしIPAは、意図しないソフトを入れた後に出る「操作不能の偽メッセージ」(後の節)を、ブラウザの偽警告とは別の手口として扱い、再起動しても消えない相談があると書いています。

どんな画面・音・電話番号が出るのか

各機関が確認した例です。実際の画面は少しずつ変わります。

出るもの 公的機関の記述 出典
警告の文言 「トロイの木馬スパイウェアに感染したPC」「PCへのアクセスがセキュリティ上の理由からブロックされた」 IPA(2024年11月19日)
偽の画面の見た目 「Microsoft」のロゴと「Windows Defender セキュリティ センター」「検出された脅威:トロイの木馬スパイウェア」「Windows サポートへのお問い合わせ:(電話番号)」。実在の企業ロゴが使われる場合がある 消費者庁(2023年9月28日)、警察庁
警告音・音声 「今すぐサポートセンターに電話してください」「コンピュータはトロイの木馬ウイルスに感染しており、すべてのファイルが削除されます」といったアナウンスが延々と流れる IPA(2024年11月19日)
閉じるボタン キャンセルなどを押すと偽の警告が画面全体に広がり、閉じるボタンが非表示になる。見えている×は偽物で、押しても反応がない IPA(2024年11月19日)
電話番号 国内の通信事業者の050番号が悪用されていたが、2023年8月ごろから0101で始まる番号に変わった。0101は北米(主に米国)への国際電話で、国際通話料金が発生する可能性がある IPA(2024年11月19日)

警察庁のページの番号の例は「050-XXXX-XXXX」と伏せ字です。この記事も、実在の詐欺で使われた電話番号は載せません。IPAは、警告が画面一杯に表示され、かつ電話番号が表示されている場合は偽物と考える、と書いています。

警告はなぜ出るのか。何度も出る時に何が起きているのか

IPAの「サポート詐欺の偽セキュリティ警告はどんなときに出るのか?」(2024年2月27日公開)は、「突然表示されたように見えますが、表示される「きっかけ」があります」として、事例を4つ挙げます。

  1. 不審な広告のクリック(広告枠に「次のページ」とだけ書かれ、ボタンに見えるものもある)
  2. 不審なサイトに誘導する検索結果のクリック(IPAは2023年11月中旬から12月に「2024 年賀状 無料 イラスト」で検索した例を確認)
  3. アダルトサイトの動画再生ボタンのクリック
  4. ブラウザの通知機能を悪用した偽のセキュリティ警告通知のクリック

何度も出る理由として、IPAのページから分かるのは2つです。1つは、ブラウザを開き直した時に前のページが復元され、同じ警告がまた出ること。IPAの手順書は、再起動時に「ページの復元」が出たら「復元」を押さず右上の「X」を押すよう書いています。「復元」を押すと終了時のページを再読み込みして、同じ警告画面が出るためです。もう1つは、ブラウザの通知機能が悪用されていること。画面の右下に警告が出続け、ブラウザを閉じても止まらない相談が多い、とIPAは書いています。

偽の警告画面の消し方(Windows)

IPA・警察庁・消費者庁がそれぞれ書いていて、細部が違います。

方法 IPA 警察庁 消費者庁
Escキーの長押し Escキーを3秒程押し、右上の「×」で閉じる キーボード左上のESCキーを長押しし、ブラウザの「×」で閉じる 書かれていない
Alt+F4 書かれていない 書かれていない 「Alt」と「F4」を同時に押し、「このサイトを離れますか」などと出たら「はい」
Ctrl+Alt+Delete 電源ボタンアイコンから「再起動」(保存していないデータは失われる場合がある) タスクマネージャを起動し、ブラウザを選び、右クリックで「タスクの終了」 電源ボタンアイコンから「再起動」
それでも閉じない時 手順書には書かれていない IPAの安心相談窓口へ問い合わせる IPAの安心相談窓口へ問い合わせる

出典は、IPAの手順書「サポート詐欺で表示される偽のセキュリティ警告画面の閉じ方」(2023年11月15日更新)と2024年11月19日の注意喚起、警察庁のサポート詐欺対策ページ、消費者庁の2023年9月28日の注意喚起です。以下は筆者が手間の少ない順に並べたもので、機関が書いた順ではありません。

  1. 音量を下げる(IPA「警告音やアナウンスがうるさいときはパソコンの音量を下げて落ち着いて対応してください」)。画面の電話番号には電話をかけない。
  2. Escキーを3秒ほど押し続け、「×」が出たら押す。「ページを移動しますか」と出たら、手順書は「移動」を選ぶと書きます。×が出ない時は、IPAの特集ページ(体験サイトの操作方法)によると、マウスで偽の警告画面の中を一度クリックしてから、もう一度Escキーを長押しします。
  3. 閉じられなければAlt+F4、それでもだめならCtrl+Alt+Deleteから再起動する。再起動後に「ページの復元」が出たら、「復元」は押さない。
  4. 閉じた後、IPAは、電話を切った場合の対処として「念のためお使いのブラウザの履歴を消去してください」と書いています。

タブレットは、IPAの特集ページが体験サイトの操作方法として、全画面表示の任意の場所をロングタップすると画面中央の上側に×マークが出て、タップするとEscキーの長押しと同じ状態になる、と書いています。

Macの場合

本記事が取得したIPA・警察庁・消費者庁・国民生活センターのサポート詐欺のページは、Windowsの操作で書かれています。IPAの「安心相談窓口だより全リスト」(2016年以降の52件。2026年10月13日2時57分に取得)にも、Macを題名に含むものはありませんでした。本記事が確認した範囲では、Mac専用の閉じ方は公的機関のページに見当たりません。

そこで、Appleのサポート「Macでアプリを強制的に終了する方法」(2025年12月11日公開)の一般的な手順を引きます。Appleは、まず「command + Q」キーか、メニューバーのアプリのメニュー(Safariなら「Safari」)の「終了」で通常どおり終了し、反応しない時に強制終了するよう書いています。

  1. 「option」(または「alt」)、「command」「esc」の3つのキーを同時に押す。または画面の左上隅にあるAppleメニューから「強制終了」を選ぶ。
  2. 「強制終了」ウインドウで、反応しないアプリ(ここではブラウザ)を選び、「強制終了」をクリックする。
  3. できなければ、Appleメニューから「再起動」を選ぶ。再起動しない時は、電源ボタンを10秒ほど、電源が切れるまで押し続ける。

偽の警告そのものについては、Appleのサポート(「フィッシングメッセージ、偽のサポート電話、その他の詐欺を含むソーシャルエンジニアリングスキームを認識し、対処する」、2026年6月22日公開)が、こう書いています。

「特典を獲得できる、問題を解決できると騙った電話番号に電話をかけたり、リンクをクリックしたりしないでください。こうしたメッセージは無視し、単純にそのページから離れるか、そのウインドウやタブごと閉じてください。」

筆者は、これらのAppleの手順を偽の警告画面に対して試していません。

iPhone・Androidの場合

スマートフォンには、IPAの専用の手順があります。IPAの「スマートフォンの偽セキュリティ警告から自動継続課金アプリのインストールへ誘導する手口にあらためて注意!」(2022年10月25日公開)は、「偽のセキュリティ警告が表示された場合は、ブラウザのタブを閉じることで対処できます。」と書き、閉じ方を示しています。

  • iPhone・iPadのSafari:画面下部の「タブ選択アイコン」を長押しして、メニューから「タブを閉じる」を選ぶ。
  • Google Chrome(Android など):画面上部の「タブ選択アイコン」を長押しして、メニューから「タブを閉じる」を選ぶ。

同じページは、偽の画面の「OK」だけでなく「キャンセル」や「閉じる」も、タップすると次の画面に進んでしまう場合があるので、画面はタップせずに上の方法で閉じるよう書いています。偽の警告の例は「お使いのiPhoneが(13)個のウイルスにより深刻なダメージを受けています。」などで、指示に従うと公式ストアのアプリのインストールへ誘導されます。2019年9月18日公開の同種の注意喚起は、ブラウザを終了し閲覧履歴を削除する方法も挙げています。iPhoneのSafariの履歴は、Appleのサポート(2026年9月21日公開)によると、「設定」>「アプリ」>「Safari」>「履歴とWebサイトデータを消去」>期間を確認して「履歴を消去」で消せます。

アプリを入れてしまった場合、IPAの2022年のページによると、誘導されたアプリを起動すると自動継続課金(定期購入・サブスクリプション)の登録に誘導される場合が多く、料金は週毎に900円や年毎に24,200円など高額な設定の例が多く見られます。この登録は、アプリをアンインストールしただけでは解約されません。解約は、AndroidならGoogle Playの定期購入、iPhoneならAppleのサブスクリプションの画面で行う、とIPAのページが案内しています。

右下から警告が出続ける、再起動しても画面が操作できない場合

ブラウザの通知が悪用されている場合

IPAの「ブラウザの通知機能から不審サイトに誘導する手口に注意」(最終更新 2026年3月18日)は、通知許可を削除すると通知表示を止められると書き、Google Chrome(パソコン)の手順を示しています。右上のメニューボタン(縦の…)>「設定」>「プライバシーとセキュリティ」>「サイトの設定」>「通知」を開き、「許可」欄の不審なURLのメニューボタンから「削除」を選びます。Microsoft Edge、Firefox、Android版の手順も同じページにあります。削除中に通知表示が邪魔な時は、ネット接続を切るなどする、とIPAは書いています。

画面全体に偽のメッセージが出て操作できない場合

IPAの「パソコンの画面全体に偽のメッセージが表示され操作不能になる手口が増加中」(2024年9月17日公開)は、2024年6月から、キーボードやマウスを受け付けず、再起動しても変わらないという相談が寄せられたと書きます。ブラウザの偽警告とは手口が異なり、これまでの対処は通用しないとのことです。原因は、画面が出る前に意図しないソフトやサービスをインストールしたことと推定される、と書かれています。IPAが書く順番は次のとおりです。

  1. すぐにネットワークを切る(LANケーブルを抜く、Wi-Fiルータの電源を切る、またはコンセントから抜く)。遠隔操作されたケースがあるため重要な対処、とIPAは書く。
  2. 2〜3分様子を見る。消えたら、パソコンの初期化を勧める。
  3. 消えなければ、Ctrl+Alt+Deleteを押し、青い画面に変わったら右下の電源アイコンからシャットダウンする。
  4. 反応がなければ、電源ボタンを長押しして電源を切る。

どの場合も、IPAは「パソコンを安全な状態に復旧するため、パソコンの初期化をお勧めします」と書き、表示された電話番号には絶対に電話しないよう書いています。初期化すると保存データは消えます。

電話をかけてしまった・遠隔操作ソフトを入れた・お金を払った時にすること

状況ごとに、公的機関が書く対処を並べます。返金できるかどうかは、取得したページのどれにも書かれていません。この記事では約束しません。

電話をかけただけで、何も入れていない・払っていない

IPAのQ&Aは、電話で話しただけで何のソフトもインストールしていなければ、パソコンには何も影響はないと考えられる、と書きます。偽の警告画面を閉じて、念のためブラウザの履歴を消去します。IPAの2018年の文書は、一度でもかけると電話番号が相手に伝わり、後で相手からかかってくる場合があるので、その電話には出ないよう書いています。消費者庁も「折り返しの電話があっても電話には出ないでください」と書きます。

遠隔操作ソフトを入れた、遠隔操作された

IPAの注意喚起は、次の順を書いています。

  1. 自分が操作していないのに勝手に画面が開かれたら、遠隔操作されています。すぐにネットワークを切断して、遠隔操作を切ります。
  2. 遠隔操作ソフトがアプリの一覧にあれば、アンインストールします。
  3. 遠隔操作の影響は判断できないため、Windowsの「システムの復元」を勧めます。アプリの一覧に遠隔操作ソフトがなければ、システムの復元だけを行います。復元ができなければ、初期化を勧めます。

操作方法は「パソコンメーカーにお問い合わせください」とIPAは書いています。Microsoftのサポートは、アプリのアンインストール、デバイスのリセットの検討、Windows セキュリティでのフルスキャン、更新プログラムの適用、パスワードの変更を挙げます。システムの復元を勧めるIPAと、リセットの検討を挙げるMicrosoftで、書き方が違います。遠隔操作を許すとランサムウェアなどを入れられることもある、とMicrosoftは書いています(ランサムウェアの説明はランサムウェアとは何かの記事)。

情報を見られたかについて、IPAのQ&Aは、遠隔操作中の画面を見ていて不審な動きがなければ問題はないと言えるとしつつ、「コンビニエンスストアに出かけている間に遠隔操作された」など目を離していた場合は、念のためパスワードを変えるよう書いています。

ネットバンキングを開かされた、送金した

IPAは、送金に至っていなければ、パスワードの変更と身に覚えのない取引の確認をして、銀行に相談するよう書きます。送金させられた場合は、至急、振込先の銀行に連絡し、加えて自分の口座がある銀行と警察に連絡します。全国銀行協会のページ「金融犯罪に遭った場合のご相談・連絡先」は、振込先銀行の電話連絡先の一覧を載せ、「振り込め詐欺等の被害を受け、そちらの銀行(振り込み先の銀行)の口座に資金を振り込んだ」旨を伝えるよう書いています。

遠隔操作中は、相手が送金額を書き換えられます。国民生活センターは、修理代100円のつもりで入力したところ「0」を足されて100万円が送金された2023年7月受付の例を、消費者庁は、数万円に「0」を2つ足されて数百万円が送金された例を挙げています。

カード・電子マネー・ギフトカードで払った

警察庁は、次の順で書いています。

  1. クレジットカードなら、カード会社に連絡して支払いの停止を依頼する。
  2. 電子マネーなら、管理会社に被害を連絡し、決済手続の停止を依頼するとともに、救済措置について相談する。
  3. 偽の警告画面やインストールしたソフトが分かる資料、支払ったカードの履歴、購入した電子マネーのカードを保存する。
  4. それらを持って、最寄りの警察署に通報・相談する。事前に電話で担当者と日時や持参する資料を調整すると、対応がスムーズに進むとも書かれています。

警察庁は「電話で電子マネーカードの話が出てきたら、絶対に詐欺です。すぐに電話を切ってください。」とも書き、コンビニエンスストアの店員が購入理由を尋ねる「声かけ」への理解を求めています。IPAの注意喚起には、店員に聞かれたら「ゲームアプリのため」と説明するよう口止めされた事例も出ています。サポート契約の取り消しは、最寄りの消費生活センター(局番なしの188)に相談するよう、IPAのQ&Aが書いています。

相談窓口と連絡先

電話番号と受付時間は各機関のページの記述です。かける前に、各ページで最新を確かめてください。

窓口 連絡先 書かれていること
IPA 情報セキュリティ安心相談窓口 電話 03-5978-7509(IPAのページでは10時00分から17時00分。土日祝日・年末年始を除く)。メール anshin@ipa.go.jp(警察庁と国民生活センターのページの表記。IPAのページではアドレスが画像)。選択式のチャットボットは夜間・休日も使える 偽の警告画面の消し方など技術的な相談。相談は無料で通話料は利用者負担、1回30分以内、通話内容(音声)を記録(IPAのページ)
消費者ホットライン 188(最寄りの消費生活センター等を案内する全国共通の3桁の番号) サポート契約の取り消しなど(IPA)。国民生活センターは、不安に思ったらすぐ消費生活センター等や警察へ相談するよう書く
警察相談専用電話 #9110 緊急でない相談。発信地を管轄する警察本部等の相談の総合窓口に接続される(国民生活センター)
最寄りの警察署 警察庁の「警察署の一覧」から探す 被害に遭った時の通報・相談。画面やソフトの資料を持参(警察庁)
カード会社・電子マネーの管理会社 各社の窓口 支払いの停止の依頼、救済措置の相談(警察庁)
振込先の銀行・自分の口座の銀行 全国銀行協会のページにある各行の電話連絡先 送金させられた時(IPA)
Microsoft への報告 www.microsoft.com/reportascam テクニカル サポート詐欺の報告(Microsoft サポート)

IPAの受付時間は、IPA自身の案内ページで確かめてください。 表の時間は、IPAの「情報セキュリティに関する技術的なご相談」のページ(最終更新日 2026年8月27日。2026年10月13日2時36分と2時57分に取得)の記述です。警察庁のサポート詐欺対策ページ(更新日の表示なし。2時39分に取得)と国民生活センターの2024年3月27日の発表には、「10:00~12:00、13:30~17:00」と昼休みをはさむ時間が載っていました。電話をかけての確認はしていません。

警察や消費者ホットラインなど、サポート詐欺に限らない窓口の表は、フィッシング詐欺の見分け方の記事にまとめています。

相談件数はどう動いてきたか。IPAの四半期ごとの数字

IPAは、情報セキュリティ安心相談窓口が受けた相談を3か月ごとに公開し、手口別の件数を「ウイルス検出の偽警告」の名前で数えています。この項目の脚注には、サポート詐欺の解説ページ(2024年11月19日の注意喚起)が付いています。次の表は直近の5期で、総数と偽警告の件数は2026年4〜6月のレポート(2026年7月22日公開)の図、構成比は各期のレポートの数字です。それより前の期は、IPAの相談状況の一覧ページから各期のレポートを開けます。

期間 相談の総数 ウイルス検出の偽警告 構成比
2025年4〜6月 2,941件 912件 31.0%
2025年7〜9月 2,824件 647件 22.9%
2025年10〜12月 2,976件 789件 26.5%
2026年1〜3月 3,533件 1,154件 32.7%
2026年4〜6月 3,832件 1,428件 37.3%
  • 直近は3期続けて増えている。 2026年4〜6月は前の期から約23.7%増とIPAのレポートが書きます。前年の同じ期(912件)と比べると、筆者の計算で約56.6%増です。
  • 一番多かった時期ではない。 2024年4〜6月のレポートでは同じ項目が1,767件(構成比47.0%)で、2026年4〜6月はそれより約19.2%少ない(筆者計算)。IPAは、2023年度の相談件数が過去最高になった理由を、「だれもが訪れるウェブサイトに、サポート詐欺に誘導するための広告が掲載されるようになり、その広告をクリックする人が増えたものと考えられます」と書いています(2024年11月19日の注意喚起)。
  • IPAは、2025年5月30日の警察庁の発表(「日本人被害者にかかるサポート詐欺に関係する被疑者6人を検挙した。」)の後に相談件数が一時的に減り、「その後また増加しています」と書きます(2026年4〜6月のレポート)。検挙と件数の関係は、IPAの説明を書いたもので、本記事では確かめていません。

この件数は窓口に届いた相談の件数で、被害の件数や金額ではありません。また、IPAは2025年4月から企業・組織の相談を新設の「サイバーセキュリティ相談窓口」に分けたので、2025年4〜6月以降のレポートは個人からの相談の統計です。2024年4〜6月の数字とは数える範囲が違い、その影響は確かめていません。全国の消費生活センター等への相談は、国民生活センターの2024年3月27日の発表によると「年間5,000件台で推移してきましたが、2023年度は、2022年度同期と比べて約1.3倍に増加しています」。

2026年10月13日2時台に、IPAの公式ページと体験サイトを開いて確かめたこと

筆者は、ログインせず、アカウントも作らず、実在の詐欺サイトには触れずに、IPAの公式ページだけを開きました。ブラウザは、画面を出さない状態(ヘッドレス)のChromiumです。

  • 2時41分6秒に体験サイトのページ(1280×800)を開くと、「体験サイト起動」のボタンと「開始約10秒後に解説画面が表示されます。」の文がありました。IPAの特集ページは「体験サイトはパソコンでの動作に対応しています。スマートフォンでは体験できません。」と書いています。
  • 2時41分44秒にボタンを押しました。2秒後の撮影では、「偽のウイルススキャン画面」という題名の窓に、赤字で「この画面は演出です」とありました。
  • 12秒後(2時41分56秒)の撮影では、ストライプの枠(IPAの説明では「黄色と茶色のストライプ」)の中に「偽の警告画面」の文字が敷き詰められ、青い窓に「トロイの木馬スパイウェアアラート-エラーコード」と体験用の電話番号(000から始まる形)が出て、番号の横に「電話をかけさせようとしています。」と注釈がありました。IPAは、体験サイトの画面は実際の偽の警告画面とデザイン等が異なる、と書きます。
  • 20秒後(2時42分4秒)の撮影では、左上にIPAの解説の窓が出て、「表示されている電話番号に電話をかけてはいけません。」「「ESCキー」を2~3秒間押し続けてください。(長押し)」と書かれていました。12秒後の撮影には、この窓はありませんでした。
  • 続けてEscを3.2秒押し続け、その直後(2時42分7秒)に撮影すると、青い窓の赤い「クイックサポート」ボタンの隣に、緑の「安全に戻る」ボタンが増えていました。ただし、Escを押さずに同じ時間待った撮影はしていないので、このボタンがEscの長押しで出たのか、時間の経過で出たのかは分けられません。また、ヘッドレスのブラウザは全画面表示になっていないので、IPAの解説にある「偽の警告画面は一回り小さい表示(ウィンドウ表示)になります」という動きは確かめていません。

IPAの偽のセキュリティ警告画面の閉じ方体験サイトを2026年10月13日2時41分56秒に1280×800で撮影した画面。ストライプの枠の中に、トロイの木馬スパイウェアのエラーコードと体験用の電話番号、「電話をかけさせようとしています。」という注釈が出ている

出典:IPA「偽のセキュリティ警告画面の閉じ方体験サイト」(https://www.ipa.go.jp/security/anshin/measures/fa-experience.html)を2026年10月13日2時41分56秒に筆者が撮影。画面の電話番号は体験サイトが表示する体験用のもので、本物の詐欺の番号ではありません。

IPAの閉じ方体験サイトを2026年10月13日2時42分4秒に撮影した画面。左上に、ESCキーを2〜3秒間押し続けて偽の警告画面を閉じる手順を書いたIPAの解説の窓が出ている

出典:IPA「偽のセキュリティ警告画面の閉じ方体験サイト」を2026年10月13日2時42分4秒に筆者が撮影。

このMacでは、2時43分に、IPAが名前を挙げる遠隔操作ソフト4つ(AnyDesk・LogMeIn Rescue・TeamViewer・UltraViewer)を探しました。ls /Applications と ls ~/Applications の結果を grep で調べると、どちらも該当なし(終了コード1)でした(macOS 26.6)。自分のパソコンに意図しない遠隔操作ソフトが入っていないかは、IPAがWindowsについて書くとおり、インストールされているアプリの一覧で確かめます。ただしIPAは、インストール作業がいらず、アプリの一覧に出ない遠隔操作ソフトもあると書いています。

この記事で確かめていない点

  • 実在の詐欺画面と、ふだんのブラウザでの動作。 実在の詐欺サイトは開いていません。画面や音の説明は、各機関の記述と、IPAの体験サイトをヘッドレスのブラウザで開いた結果です。
  • Macで偽警告を閉じる専用の手順。 取得した公的機関のページには、確認した範囲では見当たりませんでした。Appleの手順も、IPAのSafari・Chromeのタブの閉じ方も、筆者は偽警告に対して試していません。
  • 窓口の応答と受付時間、返金の可否。 電話はかけていません。返金できるかどうかは、取得したページに書かれていません。警察庁の被害統計は取得していません。
  • 2026年7〜9月のIPAの数字。 そのレポートのURL(過去と同じ形)は、2026年10月13日2時45分と2時58分に開くと404でした。公開されると直近の数字が変わります。

サポート詐欺の記述を取った公的機関のページ

警察庁、IPA、国民生活センター、消費者庁、Microsoft、Apple、全国銀行協会のページを、2026年10月13日(日本時間)の2時36分から3時1分に取得しました。ページごとの名前と取得時刻は、この記事の出典の一覧にあります。パソコンの動作が遅い・重い時の調べ方は、パソコンが重い時の対処の記事に書いています。

この記事でよく聞かれること

サポート詐欺とは何ですか
サポート詐欺とは、ネット閲覧中に「ウイルスに感染した」という嘘の警告画面や警告音を出し、画面に書かれた電話番号にかけさせて、サポート料金の名目で金銭をだまし取ったり遠隔操作ソフトを入れさせたりする手口です。警察庁のサポート詐欺対策ページ、IPAの注意喚起、国民生活センターの2024年3月27日の発表が、ほぼ同じ内容で説明しています(2026年10月13日取得)。
「ウイルスに感染しました」と電話番号つきの警告が出ました。本当に感染していますか
IPAは、画面が表示されただけならパソコンはコンピュータウイルスに感染しておらず、偽の警告画面を閉じるだけで問題ないと書いています。警察庁は、偽の警告画面は感染の有無に関わらず表示されると書き、Microsoftは自社のエラーメッセージや警告メッセージに電話番号が記載されることはないと書いています。電話をかけないでください。
サポート詐欺の警告画面はどうやって消しますか
IPAの手順書では、Escキーを3秒ほど押し続けて画面右上の×を押します。消えない時はCtrl+Alt+Deleteを押し、右下の電源ボタンアイコンから再起動します。警察庁はタスクマネージャーでブラウザを選んで「タスクの終了」、消費者庁はAlt+F4でのブラウザ終了を挙げています。iPhoneのSafariは、IPAによると画面下部のタブ選択アイコンを長押しして「タブを閉じる」を選びます。Macは公的機関の専用の手順が見当たらず、AppleのサポートがCommand+Qでの終了と、反応しない時のOption+Command+Escの「強制終了」を案内しています。どの手順でも、電話はかけません。
警告が何度も出る、パソコンの右下に警告が出続けるのはなぜですか
IPAは、偽の警告が出るきっかけとして、不審な広告のクリック、不審なサイトに誘導する検索結果のクリック、アダルトサイトの再生ボタンのクリック、ブラウザの通知機能の悪用の4つを挙げています。右下に出続ける時は、ブラウザに登録された通知の許可を削除します。Chrome(パソコン)なら、右上のメニューの「設定」>「プライバシーとセキュリティ」>「サイトの設定」>「通知」で、「許可」欄の不審なURLを削除します(IPA、2026年3月18日更新)。
電話をかけてしまいました。どうすればいいですか
電話で話しただけで何もインストールしていなければ、パソコンに影響はないと考えられる、とIPAは書きます。偽の警告画面を閉じ、念のためブラウザの履歴を消します。折り返しの電話には出ません。遠隔操作ソフトを入れた場合は、ネットワークを切り、アンインストールとシステムの復元を行います。不安な時はIPAの安心相談窓口(03-5978-7509)か消費者ホットライン188に相談します。
遠隔操作ソフトを入れてしまった・お金を払ってしまった時は、どこに連絡しますか
IPAは、遠隔操作ソフトのアンインストールとシステムの復元(できなければ初期化)を勧めています。警察庁は、クレジットカードならカード会社に支払いの停止を依頼し、電子マネーなら管理会社に決済手続の停止と救済措置の相談をして、画面やカードの履歴を保存し、最寄りの警察署に相談するよう書いています。ネットバンキングで送金した時は、至急、振込先の銀行に連絡します。返金の可否は、本記事では確認していません。
サポート詐欺の相談は増えていますか
IPAの情報セキュリティ安心相談窓口が受けた「ウイルス検出の偽警告」の相談は、2025年7〜9月の647件から、2025年10〜12月が789件、2026年1〜3月が1,154件、2026年4〜6月が1,428件と3期続けて増えています(IPA、2026年7月22日公開のレポート)。全体の相談件数3,832件の37.3%にあたります。相談件数は被害件数ではありません。
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