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DeepSeek(ディープシーク)、V4.1-Flashの更新版「DeepSeek-V4.1-Flash-1017」をMITライセンスで公開Terminal-Bench 4.0は31.2から42.3、表の11項目すべてで旧版を上回る(同社掲載の数字)

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日刊AIニュース10月17日(土)号:前日のAIのニュース17本を短くまとめました(約8分)›

DeepSeekは2026年10月17日、V4.1-Flashの更新版「DeepSeek-V4.1-Flash-1017」をHugging FaceでMITライセンスのオープンウェイトとして公開した。同社のモデルカードでは、Terminal-Bench 4.0が31.2から42.3、HLE(ツールなし)が36.8から42.6に上がり、表の11項目すべてで旧版を上回る。

DeepSeek(ディープシーク)、V4.1-Flashの更新版「DeepSeek-V4.1-Flash-1017」をMITライセンスで公開──Terminal-Bench 4.0は31.2から42.3、表の11項目すべてで旧版を上回る(同社掲載の数字)
目次

DeepSeek(ディープシーク)は2026年10月17日(協定世界時)、V4.1-Flashの更新版「DeepSeek-V4.1-Flash-1017」をHugging Faceで公開しました。モデルの重みはMITライセンスのオープンウェイトです。モデルカードは今回の更新を「minor update(小さな更新)」と呼び、推論、コーディング、エージェント、画像系のベンチマークが上がったほか、タスクの実行時間と出力の長さも減ったと説明しています。Hugging Faceのメタデータでは、リポジトリの作成は協定世界時10月17日2時40分(日本時間11時40分)です。

3行まとめ

  1. DeepSeekが「DeepSeek-V4.1-Flash-1017」をMITライセンスのオープンウェイトで公開。コンテキストは1Mトークン
  2. 同社の表では、Terminal-Bench 4.0が31.2から42.3、HLE(ツールなし)が36.8から42.6など、11項目すべてで旧V4.1-Flashを上回る
  3. DeepSeekのAPIの更新履歴によると、公式のWeb・アプリも1017版に更新済み。APIはモデル名deepseek-flashのまま、料金も据え置き

本記事の内容は、日本時間10月17日17時台に公式ページで確認したものです。17時35分に、DeepSeekのAPIの更新履歴と料金ページを追加で確認して書き足しました。

何が変わったのか:旧版との差を表で見る

モデルカードの比較表から、DeepSeek-V4.1-Flash-1017(以下、1017版)と旧V4.1-Flashの数字を抜き出しました。いずれもDeepSeekが自社のページに載せた値です。

ベンチマーク 1017版 旧V4.1-Flash 差
HLE(ツールなし) 42.6 36.8 +5.8
Terminal-Bench 4.0 42.3 31.2 +11.1
DeepSWE v1.1 77.0 74.2 +2.8
ProgramBench 29.1 20.3 +8.8
NL2Repo-Bench 68.2 65.4 +2.8
Automation-Bench v1.0.6 60.5 54.8 +5.7
Agents' Last Exam 35.4 31.8 +3.6
Apex Bench v1.1 72.1 64.6 +7.5
Chartography(ツールあり) 83.0 78.9 +4.1
BabyVision(ツールあり) 92.5 89.6 +2.9
ZeroBench-main(ツールあり) 51.0 49.0 +2.0

「差」の列は、表の2つの数字から本記事で引き算したものです。HLEには括弧つきの数字(1017版44.0、旧版39.1)も併記されており、これは「HLEのテキストのみの部分集合」だとモデルカードに注記があります。上の表には括弧なしの数字を使いました。

最も差が大きいのはTerminal-Bench 4.0の+11.1です。1017版のモデルカードの注記によると、この項目はClaude Codeのハーネスで測っています。DeepSWE v1.1はMini-SWE-V2のハーネスです。ただし、旧V4.1-Flashのモデルカードは、同じ31.2という数字を「DeepSeek HarnessのMinimal mode」で測った値と説明しています。旧版の31.2を1017版と同じハーネスで測り直したのかどうかは、1017版のページには書かれていません。

他社モデルと並べるとどうか

同じ表には、K3、GLM-5.3、GPT-5.6 Sol、Opus 5の数字も並んでいます。1017版を基準に、表の範囲で言えることは次のとおりです。

  • 比較対象の中で1017版が最も高いのは、DeepSWE v1.1(77.0)、Automation-Bench v1.0.6(60.5)、Agents' Last Exam(35.4)、Apex Bench v1.1(72.1)の4項目です
  • Opus 5が上回る項目も多く、HLE(56.3)、Terminal-Bench 4.0(51.8)、ProgramBench(37.0)、NL2Repo-Bench(75.3)、Chartography(84.0)、BabyVision(94.1)がそうです
  • ZeroBench-mainは、GPT-5.6 Sol(53.0)とOpus 5(52.0)が1017版の51.0を上回っています

総じて、DeepSeek自身の表でも「全項目で他社モデルを超えた」という内容ではなく、旧版からの底上げとエージェント系の複数項目での高い数字、という形です。比較対象の数字をDeepSeekがどう測ったかは、今回確認したページでは詳しく書かれていません。

どうやって動かすのか

モデルカードによると、推奨のサンプリング設定は次のとおりです。

項目 値
temperature 1.0
top_p 1.0
context_window 1Mトークン
max_tokens 256K以上

プロンプトの組み立てには注意点があります。モデルカードは「このリリースにはJinja形式のチャットテンプレートを含まない」と書いています。代わりに、encodingフォルダーにPythonの参照実装(encoding.py)があり、複数ターンの会話、ツール呼び出し、思考モード、数値で指定する推論の強さ、会話途中のシステムメッセージ、画像の混在に対するテストケースが付いています。

本番向けには、別にRustのライブラリ群「deepseek-recipe」をMITライセンスで公開しています。GitHubのREADMEによると、Messages、Chat Completions、Responsesの各形式のリクエストをConversation形式に直し、DeepSeek V4とV4.1のプロンプトまたはトークンIDに変換し、モデルの出力を応答に戻す部品です。Pythonバインディングもあり、python3 -m pip install deepseek-recipeで入ります。推論そのもの、ツールの実行、HTTP通信は呼び出す側が用意する設計です。READMEは、未対応の機能として、logprobs、音声・動画の入力、web_searchなどサーバー側のツール実行、JSON Schemaや正規表現による出力制約、n > 1の複数回答なども挙げています。

手元で動かす場合は、推論フォルダーのREADMEに手順があります。Hugging Face形式の重みを、テンソル並列のランクごとに1ファイルへ変換してから実行する流れです。READMEの例では並列数を8(MP=8)とし、変換時に--expert-dtype fp4を指定しています。READMEはこの実装を「読みやすい参照実装であり、本番用の推論エンジンではない」と位置づけています。

規模とライセンス

Hugging Faceのメタデータでは、1017版のSafetensorsのパラメータ数は合計763B(約7,632億)、ファイルの総サイズは約510GBです。形式はBF16、F32、F8_E4M3、I8が混在しています。ライセンスは、モデルカードに「リポジトリとモデルの重みはMITライセンス」と書かれています。

アーキテクチャの説明は、旧V4.1-Flashのモデルカードにあります。1017版のモデルカードはそれらを書き直しておらず、引用表記も旧版のtech report「DeepSeek-V4.1-Flash: Pushing the Limits of KV Cache Compression」のままです。旧版の説明では、画像とテキストを扱うマルチモーダルのMoEモデルで、バックボーンは552B、コンテキストは最大100万トークンです。プリフィル時に8B、デコード時に16Bのパラメータだけを動かし、グローバルなKVキャッシュは1トークンあたり890バイト(前世代のDeepSeek-V4-Flashの約1/4)とあります。これらが1017版にそのまま当てはまるかは、1017版のページ自体には書かれていません。「小さな更新」という説明からは同じ土台と読めますが、本記事では推測にとどめます。

日本の読者が気にする点

今回確認した範囲で、日本向けの記載は次のとおりです。

  • 日本語の対応:4つの公式ページ(1017版のモデルカード、旧版のモデルカード、推論README、deepseek-recipeのページ)に、日本語の性能を示す数字は見当たりませんでした。上の表のベンチマークも、日本語を対象にしたものか、モデルカードからはわかりません
  • API・アプリ:DeepSeekのAPIの更新履歴は「公式のWebとアプリのモデルも新しい版に更新した」と書いています。当サイトのDeepSeekのログイン方法の記事で紹介している公式の入口から、1017版を使えることになります。APIは呼び出し方も料金も変わらず、モデル名deepseek-flashで1017版につながります。旧名のdeepseek-v4-flashとdeepseek-v4-flash-vision-expも受け付けますが、中身は1017版で、Flashの料金がかかると料金ページに注記があります
  • API料金と時間帯:料金ページのdeepseek-flashは、100万トークンあたり入力0.15ドル(キャッシュに当たれば0.003ドル)、出力0.6ドルです。これは混雑しない時間帯の値で、混雑する時間帯は倍の入力0.3ドル(同0.006ドル)、出力1.2ドルです。混雑する時間帯は、中国の祝日を除く平日の協定世界時1時〜4時と6時〜10時、日本時間でいえば平日の10時〜13時と15時〜19時です。コンテキストは1Mトークン、出力は最大384Kトークンです
  • 旧版の提供状況:旧V4.1-Flashのページには、novita、fireworks-ai、featherless-ai、deepinfra、basetenが推論プロバイダーとして並んでいました。1017版のページには「This model isn't deployed by any Inference Provider」と表示されていました

サービスとしてのDeepSeekの性質(データの保存先など)は、DeepSeekとは何かの記事にまとめています。オープンウェイトを自分の環境で動かす場合とは話が別です。

公式ページを見て気づいたこと

日本時間17時7分にモデルのページを取得した時点で、ダウンロード数は「0」、いいねは「1」でした。推論READMEのコミットには「about 2 hours ago」と出ており、公開から数時間という段階です。一方、旧V4.1-Flashのページは、いいねが4,570件台、ダウンロード数は直近1か月で約128万回と表示されていました(旧版の作成日は2026年9月10日)。コミュニティタブの議論も、1017版は0件、旧版は73件です。公開直後のため、今回確認したページには、実際に動かした人の報告はまだありません。

まだ確かめられていないこと

  • 表の数字はすべてDeepSeekのモデルカードとAPIの更新履歴によるもので、第三者による再現は確認していません。APIの更新履歴には、ZeroBench-mainはPass@5(5回答えさせて1回でも正解なら正解)で測ったという注記もあります。ハーネスの設定によっても数字は動くため、他社の発表値と単純に比べるのは注意が必要です。上で触れたとおり、Terminal-Bench 4.0は新旧のモデルカードでハーネスの説明が異なります
  • 「実行時間と出力の長さが減った」という説明に対応する数字(トークン数や所要時間)は、モデルカードの表には載っていませんでした。Pareto frontier(性能とコストの最適な組み合わせ)を押し上げたという主張も、同じく数字では示されていません
  • 1017版固有のtech reportは、今回確認した範囲には見当たりません。モデルカード上部の「Technical Report」のリンク先は、旧版のPDFでした
  • APIの更新履歴は、DeepSeek Harness、TencentのCodeBuddyとWorkBuddyなどに向けて特に調整したとし、DeepSeek Harnessは0.2.1-rc.1以降への更新を勧めています。調整の中身は書かれていません
  • 筆者は1017版を実際に動かしていません。本記事はすべて公式ページの記載にもとづきます

出典と確認時刻

本記事は続報があり次第更新します。

この記事でよく聞かれること

DeepSeek-V4.1-Flash-1017とは何ですか?
DeepSeekがHugging Faceで公開したオープンウェイトのモデルです。モデルカードは、V4.1-Flashの「minor update(小さな更新)」で、推論・コーディング・エージェント・画像系のベンチマークが上がり、タスクの実行時間と出力の長さが減ったと説明しています。リポジトリの作成は協定世界時2026年10月17日2時40分(日本時間11時40分)です。
ライセンスは何ですか?商用で使えますか?
モデルカードには、リポジトリとモデルの重みはMITライセンスと書かれています。商用利用の可否について、モデルカードは個別に説明していません。実際に使う前にリポジトリ内のLICENSEファイルを確認してください。
旧版のV4.1-Flashから、どのくらい数字が上がりましたか?
DeepSeekがモデルカードに載せた表では、掲載された11項目すべてで旧版を上回っています。たとえばTerminal-Bench 4.0は31.2から42.3、HLE(ツールなし)は36.8から42.6、ProgramBenchは20.3から29.1です。数字はいずれもDeepSeek自身の掲載値で、第三者の再現は確認していません。
DeepSeekのAPIやチャットアプリでもすぐ使えますか?
使えます。DeepSeekのAPIの更新履歴(Change Log)は、公式のWebとアプリのモデルも1017版に更新したと書いています。APIは呼び出し方も料金も変わらず、モデル名deepseek-flashのまま1017版になります。料金ページでも、deepseek-flashのモデルのバージョンはDeepSeek-V4.1-Flash-1017です。一方、Hugging Face上の推論プロバイダー経由の提供は、日本時間17時35分の時点でありませんでした。
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出典・参照資料

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